広島市まんが図書館(広島県)「鳥獣人物戯画」「北斎漫画」…まんがのルーツや歴史をたどれるコレクションも
広島市のほぼ中心部に位置する比治山は標高70メートルほど。山全体が「比治山公園」と呼ばれ、さまざまなブロンズ像やアート作品に囲まれた市民の憩いの場となっている。その比治山公園の一角、広島市現代美術館から徒歩5分ほどの距離にあるのが広島市まんが図書館。全国初の公立のまんが専門の図書館として1997年5月に開館した。
ドーナツを半分にしたような特徴ある外観はひときわ、目を引く。
「建物の設計は建築家の黒川紀章さんです。付近に新たな図書館ができたこともあって、以前あった比治山公園青空図書館を改装しました。市民の方に興味を持っていただくと同時に、広島市がまんがを文化のひとつとして位置付けていることもあり、まんがに特化した図書館として生まれ変わりました」(主事の鍵本麻由さん)
2024年3月時点の蔵書は約17万1000冊。そのうち開架図書は約5万4000冊。「ドラえもん」「ドラゴンボール」「スラムダンク」など時代を代表する作品はもちろん、「少年ジャンプ」をはじめとするまんが週刊誌、月刊誌も。まんがだけでなく、まんが家のエッセーなどもある。壁沿いに閲覧用のイスが並ぶほか、6人掛けの机が3つずつ、2カ所にある。