「アカガミ」窪美澄著
2020年のオリンピック後、若者の自殺が急増。ある生物学者が発表した2000年以降に生まれた若者の寿命は、40歳までもたないかもしれないという論文の影響が指摘される。大学生のミツキも、40歳までの人生をどう生きていいか分からず、渋谷のバーのトイレで薬を飲み、自殺を図る。しかし、死にきれず、常連客のログに厳しく叱られる。その後、ミツキは介護施設で働くようになっても、ログと話すために店に通っていた。ある夜、恋愛というものがどういうものか分からず、したいとも思わないミツキは、ログから国が設立したお見合いシステム「アカガミ」への登録を勧められる。
若者たちが恋愛やセックスをしなくなった近未来の世界を描く問題小説。
(河出書房新社 580円+税)