「曽呂利 秀吉を手玉に取った男」谷津矢車著

公開日: 更新日:

 秀吉は、天下統一を目前にして、四国の長宗我部を兵糧攻めにすべく、米を買い集める。そんな秀吉をやゆする狂歌が堺の町に広がる。激怒した秀吉の前に引き立てられた狂歌の作者は、刀がそろりと音もなく収まる鞘を作ることから曽呂利と呼ばれる元鞘師だった。

 秀吉の眼前でも物おじしない曽呂利は、秀吉が気に入る鞘を作ることを条件に命拾いする。しかし、曽呂利が秀吉のために作った鞘は、武骨で、抜刀の音を響かせた。わざとそう作ったという曽呂利は、狂歌もやゆするものではなく、秀吉の覇業を応援する歌だと話す。曽呂利の頓知を気に入った秀吉は、彼を臣下に加えることに。

 口八丁手八丁で秀吉に取り入る曽呂利が大坂城を混乱に陥れる時代長編。

(実業之日本社 694円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる