「ロケット・ササキ」大西康之著

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 シャープで電卓開発の指揮を執り、後に「電子工学の父」と呼ばれた佐々木正氏の評伝。

 1915(大正4)年生まれの佐々木は、台湾で育ち、京大に進学して電子工学を専攻。学生時代から逓信省で電話機の開発などに携わり、戦中はレーダーや電波兵器の研究・開発に従事させられる。戦後、GHQに派遣されたアメリカで研修中、ベル研究所で後にノーベル賞を受賞するバーディーン氏らと交流。彼から、開発に成功したばかりのトランジスタの存在を教えられた氏は、帰国後に、他社に先駆けトランジスタの研究を始め、いち早く量産に成功する。

 電子立国・日本の礎を築き、ソフトバンクの孫正義やアップルのジョブズらに影響を与えた偉大な科学者の一生を描く。

(新潮社 520円+税)

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