「日本近代文学入門」堀啓子著

公開日: 更新日:

 明治から昭和前期にかけて活躍した12人の作家の人生の転機とその代表作誕生の舞台裏に迫りながらつづる近代文学史。

 明治20年、二葉亭四迷が発表した「浮雲」は、堅苦しい書き言葉(文語)で書かれていた小説に「言文一致体」という新しい文体を取り入れたことで近代小説の嚆矢(こうし)とされる。この作品で日本近代文壇の先駆者となった二葉亭だが、実は浮雲は、文章の書き方に悩み相談した坪内逍遥から、人気落語家・三遊亭円朝の落語通りに書いてみたらとアドバイスを受けて生まれたものだという。

 その他、樋口一葉に小説を書くきっかけをつくった歌人・作家の田辺花圃、夏目漱石と探偵小説の父と呼ばれる黒岩涙香など、文豪たちの知られざる人間くさいエピソードが満載。

 (中央公論新社 900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる