「魔性」明野照葉著
25歳の志穂子は、社内不倫が原因で父親のコネで入った大手企業を退社。営業職として働きながら、今も不倫相手との関係を続けている。そんなある日、志穂子は取引先の映像企画会社で見た二十数年前のライブ映像に写っていたボーカルの晃に一目惚れする。聞くと、晃は映像企画会社の社員たちのかつてのバンド仲間で、今は不動産関係の仕事をしているという。
その後、実物の晃と出会った志穂子は、不思議なオーラを放つ彼のとりこになる。晃は資産数百億円の父親のもとで帝王学を叩き込まれたが、会社を継ぐのを拒否して家を出たらしい。やがて、晃と同棲生活を始めた志穂子だが、晃はこれまでの男と何から何まで違った。
魔性の男に魅せられ、転落する志穂子を主人公に描く長編サスペンス。
(PHP研究所 840円+税)