「駅名学入門」今尾恵介著
現在、全国に約1万ある駅名は、地名を採用したものから、神社仏閣や工場などの施設を採用したものなど、時代により変遷してきた。地名由来でも、駅名を解釈するには設置当時の「地名状況」まで調べなければならないという。
また西武新宿線の花小金井駅のように駅名に合わせて、その後に町名がついたところもある。さまざまな背景や思惑が交錯し、命名されたそんな各駅の由来を読み解く鉄道エッセー。
まずは、かつて宿場のことを呼んでいた駅という単語が、停車場に代わって用いられた経緯をたどる。その上で、近くの宿場名を用いた「品川駅」やビールのブランド名をつけた「恵比寿駅」など山手線をはじめ、新幹線から在来線まで、さまざまな駅名を徹底的に分析する。
(中央公論新社 920円+税)