「ゼニの人間学」(KKロングセラーズ、1995年)
青木若代さんが、もっとも青木雄二の考えを表していると語る本。
「巨額のゼニ、カネのからんだところには、必ずといっていいくらい、いかがわしいシステムが存在している。僕が『ナニワ金融道』を描く気になったのも、根本のところは、そういう隠されたシステムが許せなかったからだ。あかんで、ほんまに。人間というのは、カネがからんでくると汚らしくなるものや」 (23ページ)
「僕は、伸び盛りの企業なんていうのは、一切信用しない。零細企業は、みんな仕方なしに規模を拡大しているだけや」 (42ページ)
「金持ちという人種は、カネがカネを生むマジックを熟知している。/それを知らないあなたは、ビンボー人であるということだ。/人間は、ビンボーであると自覚しているほうが、人生の傷が少なくてすむ」 (60ページ)
「クレジットカードなんて言って、おしゃれに思っている人は多いかもしれんが、実態から言えば、サラ金で借金をして買い物をしているのと同じである。いや、借金をしているという実感がない分、始末が悪いといってもいいかもしれない」 (69ページ)
「僕は、そんな後ろめたさを感じずに、もっとバンバン自己破産してよいと言いたい。それは、法律できちんと認められた債務者の正当な行為なのだ。なんの遠慮もいらない。恥じることなど、ちっともないんや」 (176ページ)
「企業は、人間の労働力を利潤追求の源泉とするのである。(中略)こういう資本主義の原理が働いている社会で、いちばん儲かるのが、じつは葬儀屋とピンサロや」 (195ページ)