「希望病棟」垣谷美雨著

公開日: 更新日:

 系列病院から神田川病院に着任した女医の摩周湖は、新薬の治験に参加する末期がん患者の桜子と貴子の担当を前任者から引き継ぐ。高校2年の桜子は、生まれてすぐに母親に捨てられ児童養護施設で育った。一方、貴子は代議士の妻だが、夫や姑は貴子のことよりも間近に迫った選挙のことで頭がいっぱいのようだ。

 口下手な摩周湖は、不用意な発言で患者や家族を怒らせてばかり。同僚医師や看護師らから見放されても、先輩のルミ子だけは変わらず接してくれる。

 そんなある日、摩周湖は病院の中庭で拾った聴診器を落とし物として届けようとするが、ルミ子に助言され診療時に使ってみる。するとなぜか聴診器を通して患者の心の声が聞こえてくる。

 ベストセラー「後悔病棟」に続く感動長編。

(小学館 690円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が