「銀河鉄道の父」門井慶喜著

公開日: 更新日:

 宮沢賢治の父親・政次郎の視点から天才の生涯を描いた直木賞受賞作。

 岩手県花巻の宮沢家は地元の名士。一度は落ちぶれたが、政次郎の父・喜助が再興し、今は質屋と古着屋を営む。明治29(1896)年、政次郎は古着の買い付けのため滞在中の京都で長男の誕生を知る。20日後に対面した赤ん坊は、叔父によって賢治と命名されていた。その賢そうな顔に目を細める政次郎を、喜助は「質屋には、学問はいらん」と牽制する。小学校で成績が一番だった政次郎も、喜助に許してもらえず進学をあきらめたのだ。

 6年後、賢治が赤痢で入院すると、政次郎は世間体も医者の制止も耳に入らず、自ら泊まり込んで看病に励む。

 息子の言動に翻弄されながらも我が子への愛を貫いた父を描く感動長編。

(講談社 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末