「開高健は何をどう読み血肉としたか」菊池治男著

公開日: 更新日:

 作家、開高健はこれぞと思った本はカバーも帯も捨て、耳を折るどころか、ページの半分を折り込んでいた。本を「読みたおす」覚悟が伝わってくる。2017年にオープンした「開高健記念文庫」には開高健の「読みあと」のたどれる「開高蔵書」が残っている。 

 開高はブラジルの大河アマゾンを遡った65日間の旅の記録として「オーパ!」を書いているが、「旅は男の船であり、港である」というエッセーにこう書いている。現代文学は自然との交感を欠いているために甚だしく衰弱したのではないか。外国に行くと、強いたくましい自然の中に入りたくなって、釣りをするのだと。

オーパ!」に同行した著者が開高健の世界をのぞく。

(河出書房新社 1900円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  1. 6

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  2. 7

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 8

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  4. 9

    ヤクルト村上宗隆「メジャー430億円契約報道」の笑止…せいぜい「5分の1程度」と専門家

  5. 10

    常勝PL学園を築いた中村監督の野球理論は衝撃的だった…グラブのはめ方まで徹底して甲子園勝率.853