「初めて彼を買った日」石田衣良著
28歳の誕生日が間近に迫ったOLの瑞穂は、同期の里香から誕生日プレゼントとして1枚のカードを渡される。「クラブ・パッション」の電話番号が記されたカードだった。里香によると、1時間1万円で若い男が買えるクラブだという。
瑞穂は、17歳で処女を失って以来、1年間男と寝なかったことはない。しかし、女として最高の一年になるはずだった27歳は、なぜかその機会がなかった。
数日後、瑞穂はホテルのカフェでクラブから派遣される男を待っていた。現れたのはリョウと名乗る大学生のような若い男だった。
「娼年」のプレストーリーであるこの表題作をはじめ、叔母と甥や、夜ごとテレフォンセックスをする夫婦など、さまざまなカップルの性を描く官能小説集。
(講談社 640円+税)