「菅義偉の正体」森功著

公開日: 更新日:

 秋田県初の総理大臣となった菅義偉の評伝。

 不動のナンバー2として安倍長期政権を支えた氏は、豪雪地帯から上京し、門閥や学閥も持ち合わせず、さまざまな苦難を乗り越えて現在のポストにたどり着いたというイメージを周囲に植え付けてきた。そもそも農家を継ぐことに抵抗を感じて集団就職で上京した、という本人が好んで語るプロフィルにも脚色があるという。

 氏の父親は単なる農家ではなく戦後、イチゴ農家として中央にもその名をとどろかせた大物だった。少年時代から青年時代、そして国会議員へと時を経るにしたがって生きる姿勢を変えてきた氏の人生を克明に取材。昨秋の自民党総裁選の舞台裏にも迫りながら、「叩き上げの苦労人」という虚飾の仮面を暴き、その素顔を明らかにする。

(小学館 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド