「花は咲けども噺せども」立川談慶著

公開日: 更新日:

 落語家の錦之助は、ラジオ番組の企画で朝から芦ノ湖畔の即席高座で一席。観光客には見向きもされないが、生まれてくる我が子のミルク代を稼ぐために、どんな仕事も断ることはできない。大学生のときにCDで聴いた立川談志に衝撃を受け、落語家を志すも、既に談志はこの世にいなかった。就職後も夢が忘れられず、退職して山水亭錦生に入門。多くが3年で終わる前座を7年も務め、ようやく二つ目となり山水亭錦之助となったのだ。仕事を終え、酒癖の悪いディレクターの相手をしていた錦之助に、義母から無事出産の知らせが届く。しかし、2カ月後、優と名付けたその次男が入院してしまう。(「小児科病棟の弟子」)

 談志の18番目の弟子である現役落語家が体験をもとにつづる人情小説集。文庫オリジナル。

(PHP研究所 858円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    佐々木朗希“大幅減速”球速160キロに届かない謎解き…米スカウトはある「変化」を指摘

  3. 3

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  4. 4

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  5. 5

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  1. 6

    フジの朝ワイド「サン!シャイン」8時14分開始の奇策も…テレ朝「モーニングショー」に一蹴され大惨敗

  2. 7

    「皐月賞」あなたはもう当たっている! みんな大好き“サイン馬券”をマジメに大考察

  3. 8

    セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ

  4. 9

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  5. 10

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上