「海を越えたジャパン・ティー」ロバート・ヘリヤー著 村山美雪訳

公開日: 更新日:

 アメリカでは日常的に紅茶が飲まれていると考えがちだが、意外にも緑茶もよく飲まれている。日本では、江戸時代に煎茶として飲むようになり、19世紀中頃には富裕層は玉露を好んだが、多くの日本人は一年中生産できる番茶を飲むことが多かった。

 アメリカでは植民地時代に中国茶を輸入していたイギリスに倣って、独自の茶様式が生まれた。1800年代に入ると、アメリカでは紅茶の輸入量より緑茶の輸入量のほうが増えてゆく。バージニア州などの上流家庭のティーパーティーでも緑茶が飲まれることが多かった。やがてアメリカは中国茶への偏見からジャパン・ティーに目を向けるようになる。

 交易を通して見た意外な緑茶の歴史。

(原書房 2750円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    【独自】亀山千広BSフジ社長“台風夜のお色気ホムパ疑惑” 「帰宅指示」を出しながら自分はハイヤーで…

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希 160キロ封印で苦肉の「ごまかし投球」…球速と制球は両立できず

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆 復帰初戦で故障再発は“人災”か…「あれ」が誘発させた可能性

  1. 6

    明暗分けたメジャーの最新評価…ヤクルト村上宗隆「暴落」、巨人岡本和真は「うなぎ上り」

  2. 7

    中森明菜「奇跡」とも称された復活ステージまでの心技体 「初心を忘れるな」恩師の教え今も…

  3. 8

    フジの朝ワイド「サン!シャイン」8時14分開始の奇策も…テレ朝「モーニングショー」に一蹴され大惨敗

  4. 9

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  5. 10

    セレブママの心をくすぐる幼稚舎の“おしゃれパワー” 早実初等部とアクセスや環境は大差ナシ