「〈叱る依存〉がとまらない」村中直人著

公開日: 更新日:

「叱る」という行為には依存性がある。どんな人でも環境さえ整えば〈叱る依存〉の落とし穴にはまる可能性がある。「叱る」ことで「自己効力感」という報酬を受け取ることになるからだ。〈叱る依存〉の先には相手に苦痛や恐怖を与える「虐待」がある。叱られることに「馴化」すると、叱られる側は反応が鈍くなるので、「叱る」行為はエスカレートする。

「叱る」を手放すためには、まず、「人は、苦しまなければ、変化・成長できない」という苦痛神話から脱却することが必要だ。苦しみが成長につながるのは、他者から与えられるのではなく、本人が主体的、自律的に苦しみを乗り越える時なのだ。叱る時に重要なのは「上手に叱り終わる」こと。叱るのは危機的な状況への対応に限定することが望ましい。

 子どもや部下を〈叱る〉自分を見つめ直すための処方箋。

(紀伊國屋書店 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  2. 2

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  3. 3

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  4. 4

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 5

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  1. 6

    中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か

  2. 7

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  3. 8

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 9

    役者・林与一さん83歳の今も現役「糖尿病家系で甘いモノ好き。血糖値が問題ないのは運動のおかげ」

  5. 10

    囁かれる岸田前首相“再登板”に現実味? 一強時代到来で「安倍超え」に虎視眈々