「ウクライナ戦争の200日」小泉悠著
ロシアの軍事・安全保障の専門家が、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をテーマに7人の識者と語り合った対談集。
侵攻1カ月後に行われた批評家の東浩紀氏との対談では、戦争とコロナ禍が同時に起きた意味を考えながら、人類は大して進歩していないことを認めなくてはならないと指摘。さらに、プーチン大統領が核兵器を使用した場合のその後の世界情勢の行方や日本の立場などに言及しながら、この戦争によって米国一極のもとによる世界の安定から、複数の大国がそれぞれ異なる世界観を掲げて「競争的に共存する」世界へ変化したのだと説く。
以後、刻々と変化する戦況を見つめながら、防衛研究所の高橋杉雄氏や漫画家のヤマザキマリ氏らとリアルタイムに語り合った記録。
(文藝春秋 935円)