「『気づき』のがん患者学」古川雅子著
近年、「分子標的薬」や従来の抗がん剤とは作用機序(治療効果を及ぼす仕組み)が違う「免疫チェックポイント阻害薬」などの治療薬の登場によって、がんの治療風景が大きく変わってきた。
患者一人一人の遺伝子の変化、生まれ持った遺伝子の違いを解析し、その結果に基づいて行う「がんゲノム医療」の最新情報を教えてくれる医療本。
死の淵から生還した患者の体験談を通し、最新のがん医療事情と各治療法の長所と課題を医師や研究者へのインタビューから解説。さらに複数の選択肢の登場によって正解なき時代に納得感をもって医療を選ぶための情報収集の仕方や、高額化する治療費問題、そして仕事も人生も諦めない方法まで。
サバイバーの工夫を紹介しながら伝える。
(NHK出版 968円)