「失礼な一言」石原壮一郎著
「失礼な一言」石原壮一郎著
世の中に蔓延する「失礼」を解説した人間関係の面白教科書。
例えば、かつては出すことが「礼儀正しいこと」だった年賀状。今は「年賀状を出したいので住所を教えて」とたずねたら、相手によっては「個人情報を聞いてくるなんて」失礼な人だと思われかねない。
また、年賀状には多くのトラディショナルな「失礼」もある。ただ、他人にそれを期待したり、こんなことも知らないのかとバカにするのはお門違いで、そっちの方がよっぽど失礼だとクギをさす。失礼はする側とされる側の共同作業なのだ。
ほかにも、飲食店でのマナーや、LINEやメールでの言葉遣い、年齢や学歴など属性にまつわるもの、そして他人の仕事や子育てへの口出しまで、さまざまな「失礼」を取り上げ、注意を喚起する。
(新潮社 924円)