著者のコラム一覧
山上たつひこ

1947年、徳島県生まれ。70年「光る風」で注目され、72年「喜劇新思想大系」でリアルな画風のギャグを確立。74年連載開始の「がきデカ」が社会的ブームに。88年から小説執筆を開始。2014年、原作を担当した「羊の木」(いがらしみきお画)が文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。著書に「蝉花」「火床より出でて」「大阪弁の犬」「王子失踪す」ほか。

(109)麦の左肩と胸が血に染まる

公開日: 更新日:
イラスト とり・みき

 綾瀬はキャンピングカーを出て辺りを見回した。タキグチが生い茂った雑草の中にうずくまっている。

 タキグチは麦を抱き起こしていた。麦の左肩と胸が血に染まっていた。Tシャツが破れ、裂けた皮膚と筋肉が見えた。鋭利な刃物で切りつけられたのだ。

「こんな傷は初めて見た」

… 

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