(36)火災のたび吉原は新規開店
蔦重は棚に並ぶ草紙や細見にハタキをかけながら、十八、二十一、二十二歳と三回も見舞われた火難を振り返る。
「吉原ってところは転んでも絶対にタダでは起きない」
叔父をはじめ吉原の皆々のしたたかさには舌を巻いてしまう。何しろ火災にあう度、吉原は建て替えられ、すっかり新装…
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