「日本のPKO政策」庄司貴由著

公開日: 更新日:

「日本のPKO政策」庄司貴由著

 1956年、日本が宿願だった国連加盟を果たすと、その2年後、国連は内戦が勃発したレバノンへの自衛隊の派遣を要請してきた。

 当時の岸内閣の最大の外交案件は日米安保改定交渉で、自衛官の派遣が国内世論を刺激してその交渉プロセスに影響を及ぼすことを危惧。時の国連事務総長は文民の派遣を打診してきた日本に不満をあらわにしたという。以降も日本の平和維持活動(PKO)参加は遅々として進まず、1988年にようやく実現。自衛隊の派遣はさらに4年後のカンボジアまで待たなくてはならなかった。

 本書は、国連加盟から現在まで、60余年における日本のPKO参加をめぐる政策形成の葛藤と苦悩の歴史を検証したテキスト。 (筑摩書房 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷はシーズン後半戦、三冠王へまっしぐら ドジャース投壊がむしろ追い風になる理由

  2. 2

    美川憲一「もういいわ」和田アキ子「ありえない」…切り捨てた重鎮に見捨てられたNHK紅白の末路

  3. 3

    オリンピアンの大甘同情論に透ける「特権意識」…血税注ぎ込まれているだけに厳罰必至の当然

  4. 4

    「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    松本人志裁判にA子さんいよいよ出廷か…執拗な尾行と知人弁護士との不倫疑惑に怒り

  2. 7

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  3. 8

    体操界は飲酒喫煙「常態化」の衝撃…かつてスポンサー企業もブチギレていた!

  4. 9

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  5. 10

    尾行、妨害、不倫、元女性誌編集長…松本人志vs文春の裁判がスゴいことになってきた