柴俊夫・真野響子 写真を撮られて「交際宣言」
<1977年8月>
8月17日、午後9時30分、羽田空港のロビーに出てきたひとりの男性の後を、週刊誌記者とカメラマンが付けていた。ターゲットは俳優の柴俊夫(当時30)。花登筐が脚本を手掛ける関西テレビ制作の「さわやかな男」(77年4月~78年3月)で主演を務め、その日は大阪での撮影を終え、自宅のある東京に帰ってきたところだった。
空港の外に出てタクシーに乗り込む柴を、記者がクルマで追った。タクシーは首都高を抜け、港区の住宅街にあるマンションの前で止まった。柴の自宅だった。マンションの前で記者たちが張っていると、地下の駐車場からベンツが出てきた。フラッシュがたかれ、ハンドルを握る柴の横に座る真野響子(同25)の顔が浮かび上がった。真野は「さわやかな男」のヒロイン役だった。「噂はあったんです。大阪のホテルで2人が仲良く食事をしているところも目撃されているし、柴のマンションを真野が時々訪れ、手料理を作っているという情報もあった」と話すのは、2人の写真をスクープした週刊誌とは別の芸能記者。ただし、2人の交際については、信憑(しんぴょう)性に疑問を持つ記者が少なくなかった。