タモリは犠牲者 「いいとも」政治利用を許したフジの大罪
3連休の昼下がりに違和感たっぷりであった。21日放送のバラエティー「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のテレフォンショッキングに生出演した安倍首相。情報番組でもニュース番組でもない。現職総理大臣が「初の生出演」とうたっていたが、60年続くテレビ史上でも“前代未聞”の出来事である。
ゲストの安倍は「国民的な番組」を連呼し、放送開始から32年間、司会を務めたタモリ(68)を「無形文化財」と褒めそやした。90年代初めにタモリの冠番組としてスタートした「ボキャブラ天国」(フジテレビ系)のファンだったことも告白。「タモさんは本当に人間国宝になるかも」(テレビ関係者)と囁かれるぐらいの持ち上げぶりだった。
■現場は“寝耳に水”だった?
今回の首相出演は「日枝久会長主導によるもの。制作現場とタモリさんは寝耳に水だった」(フジ関係者)という。安倍の甥っ子のフジ入社が取り沙汰されたばかりだが、今度は公共の電波を使ってフジと現政権の蜜月ぶりが露呈。新宿アルタ前では反政権のシュプレヒコールが巻き起こった。長年、業界をウオッチしてきた芸能評論家の肥留間正明氏もこう不信感を募らせる。