バイト先で突然…笑福亭笑瓶が鶴瓶に弟子入りしたきっかけ
オトンは銀行マンやったんです。そやけど仕事は庶務係に所属する小使いさんやったんで、一般入社の社員さんと違うて給料はえらい安かったみたいでね。それでオカンは家計を助けるために生命保険の外交員してました。
住んでたのは大阪市住吉区。ご飯は、いつもオカズが一品。ない時は、きな粉ごはんやからね。
オヤツの定番は、はったい粉。今の人はわからんやろなぁ。大麦を炒ってひいた粉で、お湯入れるとゼリーみたいになるんです。わらび餅の親戚みたいな感じ、言うたらわかりやすいですかね。お腹すいたら、それを自分で作ってチビチビなめてました。
兄と姉がいて、ボクは末っ子です。育ち盛りが3人おれば食費もかかりますやろ。オカンは、そうやって倹約しながら子育てしてたんです。
今じゃ、各部屋に1台あっても不思議やないテレビもね。ウチは買うたのが東京オリンピックの時やったから、ボクが8歳になる前。白黒の中古でね。それでもうれしかったもんです。やっと世間並みになったいうてね。
そんな生活やったんで、大きぃなったら有名になりたい、お金持ちになりたい、いう夢は人一倍持ってました。そやから、中学卒業したらすぐに東京行って働こう思うてました。さすがに「高校ぐらい出とらんと」て、説得されて進学したんです。