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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

トレンディエンジェルの“ハゲネタ”が他と一線を画す理由

公開日: 更新日:

【連載コラム 2016新春「笑」芸人解体新書】

 いま飛ぶ鳥を落として頭の毛をむしってハゲさせる勢いで絶賛売り出し中の若手漫才師といえば、「ダブルハゲ」がトレードマークのトレンディエンジェル。昨年末の漫才日本一を決める「M-1グランプリ」で見事に優勝を果たした若手の有望株だ。

 斎藤司(36)、たかし(29)の漫才の売りは、その見た目を生かしたハゲネタ。自分たちの容姿をネタにするのはお笑いの基本だが、彼らのハゲネタは他の芸人とはひと味違う。決してハゲに頼った安易なネタ作りをしているわけではない。自分たちの武器を生かすためにさまざまな工夫をしているのだ。

 そのひとつが、ボケ担当の斎藤が異常に格好つけていることだ。彼は根っからの二枚目気取り。髪が生え揃っていた若い頃にはなかなかの男前で、ジャニーズに憧れていたほど。ところが、みるみるうちに額が広くなりアイドルへの道を断念。芸人としてスターになることを目指し始めたのだ。

 そんな斎藤は、漫才の中でもアイドル気取りで格好つけたしぐさをしたり、華麗に踊ってみせたりする。ポーズを決めて自信満々に「斎藤さんだぞ!」と名乗るお決まりのギャグも、そのキャラから自然に生まれたものだ。

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