収録中に妊娠発覚 駆け出しの濱田マリ救った水田伸生氏の機転
ひょうきんキャラでミュージシャン、女優、声優、そしてタレントと幅広く活躍中の濱田マリさん(48)。女優開眼のきっかけは、映画監督で日本テレビ役員の水田伸生さん(58)だ。
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「あの……私、妊娠しちゃったみたいなんです」
1998年の初夏。川崎市郊外にある生田スタジオの一室で、日本テレビでドラマの演出を担当されていた水田伸生さんにこう切り出しました。その年の7月から9月まで放送されたホームコメディー「お熱いのがお好き?」がクランクインしてわずか10日ほど後のこと。私は96年に結婚してたんです。
番組関係者に迷惑をかけてはいけないと思ってまず報告したのが水田さんでした。するとお祝いの言葉をいただいた後に「詩子さんには文左衛門さんの赤ちゃんを身ごもるストーリーにしていきたい」と思いがけない言葉が返ってきました。
詩子さんとは私が演じた銭湯の従業員、文左衛門さんは番台担当で先日亡くなられた藤村俊二さんが演じました。最初からそんなあらすじがあったのか、それとも私の報告で瞬間的にひらめいたのかは、お伺いしたことがないのでわかりません。でも、驚いた様子もなく以降のストーリーをうれしそうに話してくださったんです。すごくホッとしましたね。