実力派ゆえ 「かまいたち」は「にゃんこスター」に対抗心
昨年、大流行したフレーズといえば、豊田真由子前衆院議員の「このハゲー!」だろう。流行語大賞にこそノミネートされなかったものの、その常軌を逸した暴走ぶりに日本中が衝撃を受けた。
誰だって自分が理不尽に怒鳴り散らされるのはイヤなものだが、他人に向けられた怒りは度を越すと笑えてくるところがある。そんな「怒り」という感情に秘められたエンタメ性を生かして大躍進を遂げたのが、山内健司(36)と濱家隆一(34)のコンビ「かまいたち」である。
彼らは昨年10月の「キングオブコント」で優勝を果たした。そのときに披露した2本のコントは、いずれも山内が怒りの感情を高ぶらせるという設定だった。1本目のコントではボケとして、2本目ではツッコミとして、気迫のこもった怒り芸で爆笑をさらっていた。
ネタによってボケとツッコミを自在に入れ替えられるのが彼らの強みだ。山内がボケのときは濱家が冷静なツッコミになり、逆の場合は濱家がとぼけた雰囲気のボケになる。
ところが、順風満帆に見えた彼らの前に意外な強敵が現れた。同じ大会で準優勝した男女コンビ「にゃんこスター」である。にゃんこスターは大塚愛の「さくらんぼ」のメロディーに乗せて縄跳びをする不思議なコントで世間に衝撃を与え、一気に大ブレークしてしまった。その後の全国区でのテレビ出演本数は、優勝したかまいたちをはるかに上回っていた。