著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

テレビ埼玉のロケ番組で復活 千鳥に訪れた“二度目の正直”

公開日: 更新日:

 彼らが復活するきっかけになったのは、テレビ埼玉の「いろはに千鳥」というロケ番組だ。低予算のローカル番組で、スタッフに不満を漏らしたりしながらのびのびと振る舞う姿が抜群に面白かった。彼らは東京に出てきて初めてその持ち味を発揮したのだ。

 これが業界関係者の間でも評判になり、少しずつ千鳥の評価も高まっていった。また、本人たちも東京に慣れてきて、自分たちの良さを自然に出せるようになったことで、仕事も増えていった。

 現在ではメインMCの脇を固めるサブMCを任されることが多い。ビートたけし(70)、志村けん(67)、内村光良(53)など大御所である先輩芸人からの評価も高い。

 お笑いコンビは売れてくるとどちらか一方がピンで出るようになることも多いが、千鳥は今もコンビでの仕事が多い。それは、2人とも確固たる実力があり、2人で出ているときが一番面白いと認められているからだ。

 千鳥は幸運の女神の後ろ髪を無理やりわしづかみにして、見事に大躍進を果たしたのだ。

【連載】2018 新春「笑」芸人解体新書

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