俳優か正社員か…篠井英介が本気で揺らいだ“人生の岐路”

公開日: 更新日:

 実は、何歳になってもアルバイトをしながら演劇を続けることってできるんです。

 でも、ボクはそれでは嫌だと思った。もっとたくさんの人に見てもらいたい、そして俳優の仕事だけで食べられるようになりたい、履歴書やパスポートの職業欄に堂々と「俳優」と書きたいと思った。

 思い切った決断でしたが、お芝居に関する情熱だけはあったし、きっと誰かが認めてくれるという自信があったと思います。

「花組芝居」の公演は小劇場でやっていたのですが、充実感があり観客の反応にも手応えがありました。写真週刊誌などのマスコミも「小劇場の玉三郎」なんて取り上げてくれて、それなりに注目もされていた。それが自信の根拠だったのかもしれません。

 幸い、今はなき「アトリエ・ダンカン」という事務所に声をかけていただき船出することができました。「花組芝居」では歌舞伎のパロディーをやって女形を演じていたので、オカマさんの役のオファーも来ましたが、最初の10年ぐらいはお断りしました。現代演劇で女の役を、女優に交じって自然に演じられる俳優になるという志を持っていたので、一緒にされたくなかった。それを理解してくれた方がボクを使ってくれて、ここまで俳優を続けてこられました。

 正社員のお話を頂いた時、正社員の道を選んでいたら、店も劇団も辞めるという選択をしなかったら、今はなかったでしょうね。誰にも相談はしませんでした。“どうしたいか”というのは自分に問うしかない。あの選択は間違いではなかったなと思っています。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"