「芸能人だから」を大義に叩くのは自己顕示と不寛容の極み
サッカーW杯ロシア大会で、日本代表が決勝トーナメントに進むため、ポーランドにあえて負けた試合。否定的なコメントをした芸能人が炎上する一方、世界のメディアでも賛否両論の声が上がった。
身内である日本のメディアで擁護の論調が多くなるのは仕方ないにしても、当事者である選手自身の声は、やはり重みがある。日本代表FWの武藤嘉紀は、後日の振り返りではあるが、こう語っている。
「落胆された方も大勢いらっしゃると思いますけど、それでも結果的にベスト16に入れたのはポジティブ。その采配は正しかった」(Football ZONE web)
落胆された方とはファンや観客だけでなく、本意でないと感じていた選手も含まれているのだろう。その状況に目配りした上で、堂々と自分たちの正当性を断言する。
美しく散るのか、泥くさくても勝つのかという、ちまちまとした二項対立を一網打尽にする懐の深い武藤のコメントに、ポーランド戦とそれにまつわる炎上のすべてが総括されているようだ。