勸玄効果で満員 クールな海老蔵で見せる太閤記&源氏物語

公開日: 更新日:

 7月の歌舞伎座は昼夜とも海老蔵が主演の新作。昼は太閤記、夜は源氏物語という、おなじみの物語で、どちらにも息子・堀越勸玄も出るので大入り満員である。

 昼の部は「三國無雙瓢箪久」。「太閤記」もので、本能寺の変から、信長の四十九日の法要までの約50日間の出来事を古典的な歌舞伎の様式で描く新作。基本的には史実にのっとった物語だが、「歌舞伎は荒唐無稽で何が悪い」といわんばかりの、とんでもない人間関係が創作されてもいる。

 信長のイメージが強い海老蔵は、「人のいい秀吉」を、距離を置いて、感情を込めずに演じている感じ。

 堀越勸玄は長時間じっとしていなければならず、物語を一変させる決めゼリフもあり、昨年よりも難役。

 悪役の光秀は中村獅童。いきなり本能寺から始まり、謀反にいたる心理の過程は描かれず、何を考えているのか分からない。こういう場合は「スター・ウォーズ」のダース・ベイダーのように「悪いから、悪い」人物として割り切って演じたほうがいいと思うのだが、そこまでに達していない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ