談志師匠「落語家がしゃべるならどんな格好をしても落語」

公開日: 更新日:

 1993年5月、二つ目の花緑(当時は小緑)は春風亭昇太、立川談春、志らく、三遊亭新潟(現白鳥)、橘家文吾(現文蔵)、横目家助平(現柳家一琴)らと「落語騎兵隊」というグループを結成し、国立演芸場で旗揚げ公演を開いた。後見人が立川談志と立川流顧問の山藤章二氏とあって立川流色が濃い。

「その年の4月にフジテレビで『落語のピン』という落語番組が始まって、僕は1回目に出てます。談志師匠がレギュラーで他の出演者は若手ばかり。その収録現場で談志師匠という猛烈な毒に触れるわけです」

 若手が受けを狙って下手に崩した落語を演じると談志は怒った。ただ、怒りながら役に立つことを教示する。

「談志師匠に言われたことで今も覚えているのは、『落語家がしゃべるなら、どんな格好をしても落語なんだ』という言葉です。実際に収録中、ジーンズ姿で古典落語を演じてみせたこともあります。落語家はスタイルじゃないということがわかって、それが今、僕が洋服姿でやってる同時代落語につながったと思います」

 談志は晩年まで師匠の小さんの孫である花緑を気にかけていた。私が立川流顧問を務めていた時期、花緑の独演会に行ったと言うと、「どんな噺をやった?」と尋ねたものだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方