小泉今日子「私の16才」はディスコサウンドを意識した
「私の16才」(1982年)
大河ドラマ「いだてん」で、古今亭志ん生の長女の美津子役を演じて話題の小泉今日子さん。実はデビューから4作のシングル曲を私が担当しています。
彼女は神奈川県厚木市の生まれで、中学3年生の時に「スター誕生!」に出場。私が勤めていたビクター音楽産業がレコード会社としてスカウトしました。
私が担当していた石野真子が、歌手の長渕剛さん(彼のデビュー作も私が担当)と結婚・引退するので、その後釜を探していたところ。彼女が歌ったのが石野真子の「彼が初恋」というのも何かの縁で、所属事務所も同じバーニングプロに決まりました。
さて、デビュー曲で私が狙ったのは石野真子のいいとこ取り。もちろん石野真子のシングル曲は王道のアイドル路線ですが、コンサートでは後半、「ダンシング・クイーン」などの洋楽ディスコ曲を歌ってものすごい盛り上がっていたんです。中高生のファンが総立ちで、渋谷公会堂の2階席が抜け落ちるんじゃないかってくらい。それを小泉今日子でやってみようと思ったんです。
実は原曲があって、森まどかという歌手の2枚目のシングル「ねえ・ねえ・ねえ」(79年)。私が担当しました。これは当時はやっていた「怪僧ラスプーチン」というディスコ曲のサウンドを参考にしたもので、大ヒットはしなかったんですが、個人的には気に入っていました。