ダンシング・ヒーロー(前) DA PUMP「U.S.A.」のルーツ?
荻野目洋子(1985年)
ディレクター、プロデューサーとして音楽業界に関わること46年。いわゆるヒット曲も幾つか残すことができました。一般の人では知り得ない制作現場の裏側を、当時を振り返りながらお話ししていきたいと思います。
まず思い出されるのは、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」です。
実は、今年大ヒットした「U.S.A.」のDA PUMPと荻野目は同じ事務所。かつて荻野目のマネジャーも兼ねていた現社長の平さんと、先日数年ぶりにお会いしたのでこう切り出しました。
「あれ、社長でしょ?」
「わかる? あの時と同じだよね」
王道のユーロビートサウンド、キャッチーなサビのメロディー、海外曲のカバー……、「ダンシング・ヒーロー」は「U.S.A.」のルーツといえるかもしれません。
「ダンシング・ヒーロー」を世に送り出したのは1985年の11月。それまで荻野目はソロデビューして6枚ほどシングルを出していましたが、ヒットには恵まれていませんでした。曲作りは私の先輩ディレクターが担当していたのですが、いわゆる王道のアイドル路線。間違いじゃありませんが、見た目がやや地味な荻野目には合わないんじゃないかと思っていました。