「ルパンの娘」で存分に楽しめたセクシー怪盗役の深キョン
代々泥棒稼業を続けてきた一家がある。一方、代々警察官の職に就いてきた一家がある。泥棒一家の娘・三雲華(深田恭子)と、警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)が恋に落ちた。追う者と追われる者の禁断の恋。「ルパンの娘」はそういうドラマだ。
荒唐無稽と言われれば、その通り。「単発ならともかく連ドラで成立するのか」と問われれば、ごもっともである。しかし、制作陣もキャストもガチでこれを作り続けた。まず、そのことに拍手だ。
最終話では、華の祖母マツ(どんぐり)を巡る、かつての恋と友情の青春物語と、宿敵である元警視総監との因縁が開陳された。昭和30年代を再現したオープンセットに驚いたし、脱出用のテントウムシ形ヘリコプターなどもよく出来ていた。こうした美術やVFXにも手を抜かずにやってきたのが、このドラマだ。
そして主演の深田である。ボディーラインを強調したセクシー衣装は、映画「ヤッターマン」のドロンジョ様を思い出させる大サービス。「キレがいい」とまでは言えないアクションも、その一生懸命さが伝わってきた。
ほんと、この人はどんな役も本気だ。しかも探偵だろうが、航空管制官だろうが、小学生の母親だろうが、深キョンにしか見えない。今回も深キョンが演じる怪盗というより、怪盗を演じる深キョンを存分に楽しめた。うん、それでいいのだ!