天海祐希「トップナイフ」天才たちの群像劇と人間ドラマ
天才外科医といえば、「ドクターX」こと大門未知子だが、こちらは天才脳外科医だ。「トップナイフ」の深山瑤子(天海祐希)である。
医学界は天才でいっぱいだが、深山は大門のようなフリーランスではない。東都総合病院の脳神経外科所属。今出川部長(三浦友和)の指示で、新メンバーの「まとめ役」を担うことになる。
ひとりは脳腫瘍で「神の手」を持つ天才、黒岩(椎名桔平)。次が深山にもタメグチの生意気な秀才、西郡(永山絢斗)。そして3人目は高偏差値の「ドジっ子」研修医、小机(広瀬アリス)だ。
初回では深山と西郡、黒岩と小机がそれぞれペアを組み、2つの難手術を同時に決行。
見せ場も2倍のぜいたくな展開となっていた。「ドクターX」の大門ワンマンショーもいいが、タイプの異なる天才たちによる「群像劇」も大いに見応えがある。
ドラマの冒頭、「脳はこの世に残された唯一の未開の地である」という文章が表示された。確かに、1000億の神経細胞が集まった脳の複雑さは想像を超える。オーバーに言えば「神の領域」だ。
そこに踏み込む脳外科医は、脚本の林宏司が手掛けた原作小説の言葉を借りれば、「神をも恐れぬ傲慢な職業」である。何しろ脳は体だけでなく、人格や性格など精神面も支配している。さまざまな患者たちの人生をも描く「人間ドラマ」として期待できそうだ。