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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

患者の安楽死を手伝う「殺人医師」恐ろしく理解不能な奴ら

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 何が影響してこんな悪魔医が出来上がったんだろう。ヤツらの医療現場は激務で給料も割が合わず、ただ貧しいからなのか。カネだけで殺人を平気で請けるとは思えないし、何が彼らをそこまで壊してしまったのか。

 確かに、昭和最後期のバブル経済崩壊すら知らない「失われた世代の後追い世代」ではある。テレビゲームとアニメ漫画だけに時を潰し、偏差値と大学受験にもみくちゃにされて、開業医の夢などもとからなかった40代前半の「中年子供」こそ、ヤツらなのかもしれない。

 ボーガンで夫の頭を射って殺そうとした33歳の妻も尋常じゃない。大阪・宝塚のボーガン4人殺傷事件を真似たと自白したが、よくそんな発想が湧いたもんだ。命拾いした夫は即刻、そんな女と絶縁した方がいい。

 ロクなニュースがないし、テレビを消して寝ようとしたら、どれだけ悲惨な敗戦直後の日々でも、生きる「希望」を捨てず生き抜いた人々が画面に映し出された。米軍の空襲で両親や身の寄せ所をなくし、駅の地下道に放り出された「戦争孤児」だった人々のドキュメンタリー。8月15日が近づいてきたので、NHKは戦争特集番組を放映し始めた。

 悲痛なる寄る辺なき人生を「オレたちはちゃんと生きて家族もつくったんだぞ」と、いつの間にか逆にこっちが励まされた。

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