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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

人種差別という病巣…アメリカは少しも過去に学んでいない

公開日: 更新日:

 コロナが消えかけて、さあ、お互い注意しながら生きていこうぜという時に、アメリカは「人種差別」という400年前からの病巣がずっと社会を悩ませている。白人が黒人を嫌い、蔑視し、まるで人間でないかのように扱い、そして、あっという間に躊躇なく虫けらのように殺す世界が続いてきた。この邪悪なる風習をいつ誰が粉砕できるのか? いい加減に終わりにしてくれと米国民も世界中の人たちもどれだけ声を上げようと、アメリカという国はまったく過去に学んでいない。

 人間同士だろうがと思う。もういい加減に分かったらどうなんだと思う。あの黒人を殺した白人警官たちは学校で何を習ってきたんだろう。どこかの州ではダーウィンの進化論を否定する教育を受ける児童生徒が多いのもキリスト教国家らしいが。

 日本人の我らでもとっくの昔に「差別は醜悪なこと」ぐらいは学んでいた。1968年、高校に入るなり、人文地理の授業でそれは教えられた。その先生は上着のポケットからハヤカワポケットミステリーブックを一冊おもむろに取り出して、しおりの挟んだページを開けるとその部分を読み上げてくれた。アメリカ南部のミシシッピ州の田舎では綿花畑が広がり、その大地主は金持ちの白人たちで、そこに雇われてブルースを歌って綿を摘むのが黒人たち。これが南部の風景だと。

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