ドラマで描かれないシーン 古関裕而は無類の愛煙家だった
「エール」再放送シリーズも8月8日から第8週に突入した。本編がいつから再開されるのか、いまだ発表されないが、再放送も新たな発見がいろいろあって、けっこう面白い。第7週では主人公・古山裕一(窪田正孝)が作った曲を何度もレコード会社に持っていくものの、ディレクターの廿日市誉(古田新太)にすべてつき返されてしまう。そして第8週。早稲田大の応援部(団長=三浦貴大)から慶応大野球部に勝てる応援歌を作ってほしいと依頼を受けるも、曲がなかなか書けず裕一は苦悶する。
さて、今回注目するのは曲を作ろうと悪戦苦闘するシーンだ。古山裕一のモデルの古関裕而が曲作りに臨む姿がドラマでもほぼ忠実に再現されている。裕一は頭に浮かんだメロディーを楽器を一切使わず、そのまま五線譜に書き込んでいく。それはまさに古関が作曲する姿と合致するのだが、一点だけ、ドラマでは描かれていないシーンがある。喫煙の場面がまったく出てこないことだ。
■1曲仕上げるたびに50本吸っていた
本物の古関は無類の愛煙家だった。吸うタバコの本数は1日40本。銘柄はフィルターがついていない両切りのショートピース。1本当たりタール28mg、ニコチン2.3mgが含まれ、国産でもっとも強いタバコである。