著者のコラム一覧
一雫ライオン作家

1973年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部2部中退。俳優活動を経て、35歳のときに演劇ユニット「東京深夜舞台」結成を機に脚本家に転身。主な脚本作品に、映画「TAP 完全なる飼育」「サブイボマスク」、東野圭吾原作「パラレルワールド・ラブストーリー」など。2017年に家族愛を描いた「ダー・天使」(集英社)で小説家デビューし、翌年「スノーマン」出版。最新作は幻冬舎から出版予定。

「ストレス」嫌いな言葉。使わないようにしている。

公開日: 更新日:

 が、もちろんストレスが嫌で環境を変える方もいるし、それも生き方のひとつだ。

 わたしの知り合いにGさんという男性がいる。大学を卒業し30年、芸能事務所でマネジャーとして働いていた。そのGさんが数年前、突然「マネジャーを辞めた」と連絡してきた。

「今、どうしている」と尋ねると、「都内某所に来い」という。

 指定された場所に行くと、Gさんはうなぎの寝床みたいな狭い坪数の店で、法被を着てたこ焼きを焼いていた。

 決して立地のいい場所ではないのに。10人ほどが行列までつくっている。器用にピックでたこ焼きを転がしながら、満面の笑みを浮かべGさんはまくし立てた。

「ライオン! おれはもうタレントは懲り懲りだ! あいつら、デビューしたての時は仕事くれ仕事くれって頼んできといて、ちょっと売れりゃ、やれこの仕事イヤ、休みくれ、揚げ句にゃスタジオ入ってるのに、“飼ってる犬に餌あげてきたか忘れた”とか言って、ぎゃーぎゃー泣き出して楽屋から出てこねえんだぞ! 餌なんて知るか! もうそんなストレス地獄はごめんだ! おれはな、前からたこ焼き屋をやるのが夢だったんだ。それにたこ焼きはいいぞ! 焼いても焼いても文句言わねえんだから!」

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