一雫ライオン
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一雫ライオン作家

1973年、東京都生まれ。明治大学政治経済学部2部中退。俳優活動を経て、35歳のときに演劇ユニット「東京深夜舞台」結成を機に脚本家に転身。主な脚本作品に、映画「TAP 完全なる飼育」「サブイボマスク」、東野圭吾原作「パラレルワールド・ラブストーリー」など。2017年に家族愛を描いた「ダー・天使」(集英社)で小説家デビューし、翌年「スノーマン」出版。最新作は幻冬舎から出版予定。

形容詞の危険性…安倍晋三「美しい国」とは何だったのか

公開日: 更新日:

「どうすれば脚本家や小説家になれますか?」

 作家志望の青年の相談にのる羽目になったのだが――。

 ◇  ◇  ◇ 

 21歳の青年とメールでやりとりするようになったのは8月のある日。最初こそ面倒だなあ、などとぶつぶつ言っていたがなに、1日1回の若人との文字上の会話も当たり前になってきた。

 ふと「そういえば君、いま夏休み中なの?」と打ってみると「そうですよ。でもコロナでぐちゃぐちゃです」と返事。そうだよなと思う。小学1年のわたしの娘でさえ授業のカリキュラム変更など多岐にわたり大変そうだ。大学3年ともなれば作家志望の青年はどうするのか知らぬが、他の生徒さんは就職活動もあるだろうし、心中察する。

 雲行きは、あやしい。わたしには6歳の娘と2歳の息子がいるが、この子たちに「仕事とは」をどう教えるか悩むときがある。このままAI化が進むのであろうから、仕事という概念も形を変えているだろう。やれ「やりがいが」とか「たのしさ」など無責任には言えない。もともと物書きなど堅気の仕事でないので、偉そうなことはなにひとつ言えないのだが。

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