Yahoo!検索大賞を受賞 “鬼滅声優”花江夏樹の見逃せない3作品
そして出会ったヒロイン「宮園かをり(みやぞの かをり)」を通して、彼は「なんのためにピアノを弾くのか?」という自分自身やトラウマと向き合っていくというストーリーだ。
サクセスストーリーではなく、恋愛の要素もあれば、彼に影響されたその他の音楽家とのライバル関係や友情など、様々な要素が含まれている。さらに物語の最後は、涙なくしては見られない悲しい結末だが、だからこそ誰かを愛することの素晴らしさを教えてくれる。
主人公の有馬には、湖の底のような仄暗くぼやけた輪郭しか掴めないミステリアスさが最初はあった。しかし大切な人と出逢い、かつて大切にしたかった想いを思い出し、過去の辛さと決別する過程で、有馬は「ただ母の愛を求めていた少年だった」ということが見えてきた。
花江さんはそのグラデーションを仰々しくなく、しかし淡々としすぎるわけでもなく、どんな心情の時も有馬を「ありのまま」演じていた。放送から6年経つが、今でも友達にオススメするほど心に残り続けている作品だ。
■『東京喰種 トーキョーグールー』