上野・鈴本7代目が胸に刻む先代、先々代の言葉「顔付けは別だよ」
「料金改革もやるべき」と明言し「ペアチケットはぜひやりたい。早朝寄席(2018年9月30日で休止)も再開したいですね。芸人さんからも要望をいただいているので」と、コロナ禍が落ち着くその先を見通す。
落語協会、落語芸術協会主導で行われたクラウドファンディング「寄席支援プロジェクト」は、6月30日に締め切られ、1億円を超える金額を集めた。「浄財ですから責任重大です。どう使えばいいのか。助けてくださったお客さまに見放されてしまうので」と表情を引き締める。
■大名跡・古今亭志ん生襲名は…
おしまいに、落語ファンが長年固唾をのんで期待している大名跡・古今亭志ん生襲名について質問をぶつけてみた。「コロナが落ち着いた暁に襲名ができたらいいですね」と前置きし、敦さんが明言する。
「鈴本が名前をお預かりしているのは事実です。席亭は代わりましたが、この件は父の裁量ですね。『俺の目が黒いうちにやる』と言い切っています」
世の中が落ち着きを取り戻したころに向けた、寄席演芸界の絶好の起爆剤もすでにセットされている。7代目の席亭の手腕に、世間の注目が集まる。
(聞き手=演芸評論家・渡邉寧久)