電撃解任の小林賢太郎氏“笑えない”過去…評論家も「解任、説明責任やむを得ない」
東京オリンピック・パラリンピックの開会式・閉会式「ショーディレクター」の小林賢太郎氏(48)が21日、過去に「ユダヤ人大量虐殺」を揶揄するコントを制作していたとして解任された。五輪の開会式を巡っては、いじめ問題で辞任した小山田圭吾氏(52)、同じくいじめ問題で出演辞退した絵本作家のぶみ氏(43)に続き、3人目。大会直前になってもドタバタ劇が収まる様子はない。
小林氏は21日、1998年にリリースされたお笑いビデオ「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」のコントで「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」なるフレーズを使用していたことがSNSで拡散し、ユダヤ人の人権団体、サイモン・ウィーゼンタール・センターが声明を発表。22日、組織委員会の橋本聖子会長(56)は解任を発表した。
小林氏は96年、多摩美術大学の同級生で俳優の片桐仁(47)とお笑いコンビ、ラーメンズを結成。2020年に芸能界を引退。現在は表舞台から退き、作家や演出家として活動している。お笑い評論家のラリー遠田氏がこう言う。
「美大卒の知的かつ特異なキャラクターで存在感を放つ芸人でした。問題のコントは、タブー視されているものをあえてネタにするという、ラーメンズらしいシニカルな笑い。今回の件は現代の価値観、世界基準に照らし合わせると小林氏の解任、説明責任はやむを得ないと思います。しかし、今回の問題と切り分けて過去のものを今の価値観、倫理観で裁くというのもどうあるべきか考えなければならないでしょう」
東京五輪の開・閉会式のコンセプトは「Moving Forward」。進むも地獄、退くも地獄である。