小山田圭吾“障害者イジメ”でミソつけた「渋谷系おじさん」の才能は枯渇していないのか

公開日: 更新日:

 懐かしい名前が久々にネットニュースを賑わせている。91年に解散した“渋谷系”バンド「フリッパーズ・ギター」メンバーで、94年から一人ユニットのコーネリアスとして活動する小山田圭吾(52)だ。

 父親は昭和の歌謡コーラスグループ「和田弘とマヒナスターズ」の三原さと志、息子はミュージシャンの小山田米呂と芸能一家でもある。

 95年に音楽雑誌で語っていた、小学生から高校生にかけて小山田が通っていた和光学園時代に、複数の障害者に行っていた「マットでぐるぐる巻きにして飛び蹴り・バックドロップをかけるなどの暴行」「排泄物を食べさせる」「自慰行為を強要する」など、目を覆いたくなるような関東連合負けの“障害者イジメ”が暴露され、炎上したためだ。つい先日、和光中学校の同級生でコンビを組んでいた“オザケン”こと小沢健二(53)も、30歳アーティストとの密会が報じられたばかり。

 誰にでも隠しておきたい話の一つや二つあるもので、そもそもアーティストにモラルを求めてはいけないと言った声もあるが、今回はバラされた事案とタイミングが非常に悪かったといえる。14日、東京オリンピック開会式の楽曲制作に起用との報を受けて、ネット民によって過去の悪事が速攻でバラされ、「多様性と調和」がコンセプトの1つである東京オリンピック・パラリンピックに不適切との批判の声はやまない。

 同じ渋谷系なら、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピック閉会式で、次回開催地の東京へ引き継ぐ式典の際に流れた「東京は夜の7時」(椎名林檎編曲)のピチカート・ファイヴの方がふさわしかったんじゃないかという声も少なくない(メンバーの小西康陽は再結成を否定しているため実現は難しいだろうが)。

「小山田圭吾辞任」がTwitterトレンドになったが、本人から辞任の発表はされておらず、大会組織委員会は「引き続き最後まで準備に尽力していただきたい」と辞任や解任はしない方針を示している(16日現在)。オリンピック開催まで1週間を切っているため、「今さら変えられない」というのが実情だろう。

大手広告代理店社員が好みそうな人選

 それにしても今回、小山田のほかに、閉会式・閉会式のショーや音楽などにかかわるクリエーティブメンバーとして名前が挙げられた、元ラーメンズの小林賢太郎、FPMの田中知之など、彼らが果たして日本を代表するアーティストか否かはここで議論しないが、いかにも30、40代の大手広告代理店社員が好みそうな人選といえるだろう。小山田の今回の一件など、彼を起用するような人間なら当然わかっていてもおかしくないはずだが。

 この炎上に対して小山田は、謝罪の弁を公表。

<ご指摘頂いております通り、過去の雑誌インタビューにおきまして、学生時代のクラスメイトおよび近隣学校の障がいを持つ方々に対する心ない発言や行為を、当時、反省することなく語っていたことは事実であり、非難されることは当然であると真摯に受け止めております>

 すでに50代になっているであろう被害者に直接謝罪したいとも話しているが、一大イベントを遂行させるための目的感がありありで、今さらそんなことされても本人たちにとって迷惑極まりないだろう。

 よほどのファンでない限り、小山田の業績はフリッパーズ・ギターのヒット曲「恋とマシンガン」など、彼が20代で携わったもので止まっているはず。50代になった彼の才能が枯渇していないか、この目で確かめたいと思う。

(文=小橋ケースケ)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  4. 4

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  5. 5

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  1. 6

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  2. 7

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  3. 8

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  5. 10

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  3. 3

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  4. 4

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  5. 5

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  1. 6

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  2. 7

    やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目

  3. 8

    女優・佐久間良子さんは86歳でも「病気ひとつないわ」 気晴らしはママ友5人と月1回の麻雀

  4. 9

    カンニング竹山がフジテレビ関与の疑惑を否定も…落語家・立川雲水が「後輩が女を20人集めて…」と暴露

  5. 10

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場