闘病中のアントニオ猪木 「現役時代のお宝グッズの値段」を闘道館館長が解説
今年に入って多くのファンが案じているのがアントニオ猪木(78)の病状だ。2年前まで参議院議員として活動していたが、腰の治療のため今年1月から長期入院。その後に腸の病気で手術し、再入院していることを告白している。ユーチューブチャンネル『アントニオ猪木 最後の闘魂』で見せた手術後のあまりにも弱々しい姿に驚いた人も多いはずだ。猪木がやせ衰えた姿でリハビリを行い、ようやく食事がまともにできるようになったといったことを報告する動画がアップされている。
そんな猪木がいかに国民的人気を得ていたかを証明するグッズが東京・巣鴨にある格闘技ショップ『闘道館』に展示販売されている。白地に蛇の絵が描かれているガウンで、展示販売価格は何と400万円(消費税別)。昭和43~45年にかけて着用したものだ。
「コブラツイストを最高の必殺技としていた時代のガウンです。蛇のモチーフはそこに起因しています。当時は学校でコブラツイストをかけたりするプロレスごっこが大流行でした。このガウンは40年近く前に新日本プロレスのプレゼント企画で当選した方がテレビ東京系『開運!なんでも鑑定団』に出品。私が500万円と鑑定し、放送後買い取らせていただきました」(闘道館館長・泉高志氏)
ジャイアント馬場に追いつけ追い越せと頑張っていた時代に着用
猪木がこのガウンを着用していたのはライバルのジャイアント馬場に追いつけ、追い越せと血気盛んな時代だ。当時の日本はプロレス人気絶頂ともいえる時期で、猪木が所属していた日本プロレスは日本テレビとNET(現・テレビ朝日)の2局が毎週放映していた。猪木は両方の局の中継に登場し、スターの座を確立した。
「猪木さん関連グッズは不動の人気です。特に60歳前後の層はこのガウンを覚えている方が相当数いて店の看板代わりとなっています」(同)
ちなみに過去に闘道館では、力道山が世界の強豪を集めて開催したワールド大リーグ戦の優勝トロフィーが500万円で買い手がついたこともある。また猪木には実業家の一面もあり、タバスコやマテ茶といった今では日常的になったものも最初に輸入したのは実は猪木だ。
「タバスコ輸入を始めた昭和57年頃、会場で配っていたこともあったそうです。トマトジュースと間違えて飲んで、辛くて吹き出しそうになった思い出を語るお客さんがいました。タバスコやマテ茶、当時CM出演していた健康器具のリズムタッチに関するポスターなどのアイテムも珍品としてすぐに買い手が現れます。このガウンも高額ですが、いつ買い手がついても不思議ではありません」(同)
そんな猪木も今や傘寿目前。現在の対戦相手である病気を必殺技で撃退して元気な姿で「1、2、3、ダーッ」とやってもらいたいものだ。
(取材・文=片寄量太/マルサン・プレス)