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芋澤貞雄芸能ジャーナリスト

1956年、北海道生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルスでテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌を中心に30年以上にわたり芸能・スポーツを中心に取材活動を続ける。代表的なスクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在は、星野源、ディーン・フジオカから羽生結弦、浅田真央まで幅広く取材活動を続ける。日刊ゲンダイDIGITALや現代ビジネスなどで執筆中。ツイッター現代デジタル芸能界一の嫌われ記者 芋澤がぶっちゃける極秘情報

神田沙也加さん“2人のママ”の決定的な違い…松田聖子は娘に理想を説き、大地真央は励まし続けた

公開日: 更新日:

 神田沙也加さん(享年35)の訃報に接し、改めてクローズアップされたのが母・松田聖子(59)と沙也加さんの微妙な母娘関係だ。2人の確執は週刊誌などを通して誇張気味に伝えられてきたが、12月20日付「日刊スポーツ」はこの噂を“仲のいい母娘だった”と一蹴した。

 ただ、沙也加さんの半生を振り返る上で、“仲良しのママ”といえば大地真央(65)をイメージする人の方が多いだろう。沙也加さんが生まれた1986年10月から、彼女がタレントとして長期休養期間に入る2005年5月までの母親を聖子とするならば、06年12月の活動再開後は大地のことを“もう一人の母親”と言い換えても言い過ぎではないように思う。

 02年5月に「ever since」で歌手デビューした沙也加さんの歌唱力は申し分なく、“松田聖子の娘”というオプションが付いたにもかかわらず母のようには売れなかった。その沙也加さんのデビューとプロデュースに際しては、聖子が大きく関与したといわれている。聖子には「私がプロデュースすれば、沙也加は必ずスターになれる」という自らの経験に裏打ちされた確信があったのかもしれないが、親が子供のやることに細かく口を出し、注文を付け、押さえつければ子供が反発するのも当然だ。そんなギスギスした関係が表面化したのは05年のこと。沙也加さんに12歳年上のギタリストとの交際が発覚した頃だ。年齢差、バツイチ、職業……聖子には彼の全てが納得いかなかったようだ。

「当時の聖子は自分の奔放な私生活を棚に上げ、娘の交際を頑として許さず、沙也加さんは『ママは好き勝手やって、どうして私はダメなの!』と激しく反発しました。それに対し聖子は『タレントやミュージシャンはとにかくダメ。収入だって学生アルバイト並みだし、何より不安定だから』と、珍しく声を荒らげたそうです」(芸能関係者)

 聖子が理想とした娘の交際相手は、“1番目は歯医者、2番目は弁護士、3番目が実業家”だったという。聖子の価値観に振り回された沙也加さんは混乱したはずだが、聖子も娘にわざと嫌がらせをするはずはなく、理想を説いたのは聖子なりの母親としての愛情だったのだろう。ただ、それからしばらくして沙也加さんは長期休養に入る。

「あなたには才能がある!」と鼓舞し続けた大地真央

 その間、そんな彼女に「絶対に芸能界を辞めちゃダメ!」「あなたには十分過ぎるくらいの才能があるんだから」と奮起を促し続けたのが大地だった。沙也加さんと大地の絆を再認識させられたのは07年秋、大地の結婚披露宴での沙也加さんのスピーチで、「私はこれまで真央さんのことをママと呼んできました。これからもママとしてよろしくお願いします」と語った。

「この頃の沙也加さんは、時間を見つけては大地と一緒にいました。メークの基礎から台本の読み方、舞台上や楽屋での所作や、よくある舞台袖での“早替え”演出のノウハウまで、実に細かく寄り添っていました。沙也加さんにとって、見るもの全てが新鮮だったのでしょう」(舞台関係者)

 沙也加さんと大地の関係で、筆者が特に印象に残っていることがある。それは、沙也加さんが彼女の仕事にとってマイナスになるようなネガティブな写真を撮られると、それをボツにするため、決まって大地が体を張って火消し役を買って出ることだった。聖子だったら娘のスキャンダルを潰すために、自分のプライベートをさらけ出すことができるだろうか……これは筆者がその時に感じた疑問だ。

 沙也加さんは生まれながらの宿命に苦しんだのも確かだが、芸能界の“スーパーアイドル”と“ミュージカルと舞台界の大女優”という2人の母に温かく見守られた恵まれた人生を過ごしたのも間違いない事実だろう。2人の母の間で揺れ続けた沙也加さんは、わずか35年で自らの人生に幕を下ろしてしまった。

*番外編を【動画】でご覧いただけます。

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