著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<31>奇跡の二冠を達成した野口修の絶頂と転落

公開日: 更新日:

「もちろん、淳子ちゃんは大活躍だったけど、アグネスだと思ってた。あれは番狂わせだったと思うな。僕は作曲者でもあるから、ちょっと複雑なのよ。となると大賞の方も『ジュリーどうなの』って感じになってくるよね」

 1973年の「日本レコード大賞」候補曲は以下の通り。「ちぎれた愛」(西城秀樹)、「ロマンス」(ガロ)、「わたしの彼は左きき」(麻丘めぐみ)、「なみだ恋」(八代亜紀)、「危険なふたり」(沢田研二)、「白いギター」(チェリッシュ)、「恋文」(由紀さおり)、「夜空」(五木ひろし)。これに最優秀新人賞の「わたしの青い鳥」も加わる。全員が候補曲を歌った後で「作詩賞」「作曲賞」「編曲賞」「特別賞」の発表が行われている間に、帝国劇場2階の会議室で大賞の選考会が開かれた。

「長テーブルがあって椅子が並んでいる普通の会議室です。そこで40人が集まって用紙に書き込むだけ。その場で開票をして決めます。数年後、開票の様子を生中継にしましたが、当時は室内で決めていました」(元「輝く!日本レコード大賞」プロデューサーの砂田実)

 開票が済みいよいよ発表のときが来た。司会の高橋圭三が渡された紙を開く。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」