NHK前田会長の改革に決定的に欠けている「公共メディア」とは何かという議論
メディア史の一つの疑問に、GHQがなぜ民放の開設を決断したかがある。GHQは占領政策で放送が果たす役割を重視し、NHKを管理下に置いて放送させている。GHQの膨大な資料を分析してきた山本武利氏は、「その(GHQの)『指導検閲』に『不自由感』をいだかないほどにGHQの道具に短時日に変身してきたNHKの体質にGHQ自身が薄気味悪さや不安をいだき、それへの対抗勢力として民放の育成の必要性を感じたわけである」と書いている。
NHKの新執行部は単に未来を語るだけでなく、こうした歴史を踏まえて公共メディアとは何かを議論して欲しい。それがなければ「薄気味悪さ」は消えない。
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